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欲しくてほしくて手に入らなかった腕時計

小学生の頃、近所に可愛らしい雑貨屋さんは少なく、アクセサリーや腕時計をおいているお店はその中でも1つのお店しかありませんでした。

そこに置かれていた、一つの腕時計に目を奪われて、一瞬で欲しくなってしまいました。

茶色のベルトに、小さな白い文字盤には、自分がよく描いていたイラストにそっくりな小さな妖精が描かれており、「自分が持つ腕時計はこれしかない!」と感じたのです。

2,000円の腕時計でしたが、小学生にとっては高価なもの。

そして、まだ周りに腕時計をしているような子は少なく(ただ、そういった大人のアイテムというものにとても憧れている時期ではありました)、ほしいと言っても、「それ、本当に必要なの?と言われてしまうもの。

誕生日やクリスマスも遠く、無理にねだることもできませんでした。

しかし、近隣に一つしかない腕時計を売っている雑貨屋さん、同じように腕時計に憧れる同い年の子も多く、週末になると通いつめていたものの、入荷から一月ほど経って、売れてしまっていました。

ばかばかしいのですが、泣いてしまったほどです。

それを見た母親が買ってあげればよかったねと言ってくれましたが・・・。

高学年になって、そんな時計も忘れてしまったころ、初めて同じクラスになった子が、修学旅行でその時計をつけているのを見ておどろきました。

あのお店で買ったものかどうかはわかりませんが、何年も大事に使ってもらっているのかなと思ったら、手に入らなかったけど嬉しい気持ちになったことを覚えています。